岸田内閣主要政策

岸田内閣主要政策を考察していきます。

・個人の幸福方程式= f(肉体健康度, g(自己肯定感、気持ち環境度)) –③
・全体の幸福方程式=F(S(f1,・・fn,e)—⑤
に沿って、考察していきます。

(以下、首相官邸ホームページの岸田内開主要政策からの引用です。
 ブロック形式(枠組み、網掛け、左縦線など)のものは、下記からの引用です。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/index.html)                     

岸田内閣の主要政策 01/
新しい資本主義

「時代の転換点」とも言える構造的な変化と課題に直面する中、
賃上げや企業の投資意欲など足下の前向きな動きを更に力強く拡大すべく、
新しい資本主義の実現に向けた取組を加速し、
新時代にふさわしい経済社会の創造を目指していきます。 

新しい資本主義 01
構造的賃上げの実現
分厚い中間層の形成

30年ぶりとなる高水準の賃上げを持続的・構造的なものとするため、「人への投資」を強化し、リスキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革を進めます。
あわせて、金融資産所得の拡大などにより家計所得の増大を図るとともに、多様な働き方の推進等を通じ企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げにつながる社会を創ります。少子化対策・こども政策の抜本強化等に取り組むことを通じ、分厚い中間層を形成します。
・リスキリングによる能力向上支援
・個々の企業の実態に応じた職務給の導入
・成長分野への労働移動の円滑化
・家計所得の増大
・資産所得倍増プランの推進
・多様な働き方の促進

新しい資本主義 02
国内投資の活性化

バブル期以降高水準となる100兆円を超える国内投資など企業の高い投資意欲が醸成されてきています。市場に任せるだけでは過少投資となりやすい分野について、官民連携を進め、的を絞った公的支出を行い、これを呼び水として民間投資を拡大させます。そして、30年間続いてきたデフレ経済、コストカット経済から脱却し、未来への投資によって成長する経済をつくり上げます。
そのため、特に、半導体・蓄電池・データセンター・バイオといった戦略分野を中心に、国内外の企業に中長期的な予見可能性を示すことのできる規模・期間での包括的な支援を行い、大規模な立地・投資を計画できるよう、世界に遜色ない水準で、税制・予算面での支援を検討します。そのうえで、年末に向けて、世界に伍して競争できる投資支援パッケージを作っていきます。
・GX(グリーン・トランスフォーメーション)の投資拡大
・スタートアップの育成及び公益活動の推進
・科学技術・イノベーションの推進
・インバウンドの拡大

新しい資本主義 03
デジタル社会への移行

デジタルの活用により、一人一人のニーズにあったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。また、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めます。
・行政のデジタル化開く閉じる
・マイナンバー制度の利活用
・デジタル田園都市国家構想の実現
・AIへの取組

岸田内閣の主要政策 02/
こども・子育て政策

少子化は我が国の社会経済全体に関わる先送りのできない「待ったなしの課題」です。
若い世代の誰もが結婚や、子供を産み育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望を持てる社会を目指し、不退転の決意で取り組みます。

こども・子育て政策 01
子育ての経済的支援

児童手当は、次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援として位置付けを明確化するため、所得制限を撤廃し、支給期間を高校生年代まで延長します。
具体的には、全てのこども・子育て世帯へ、0歳から3歳未満は月額15,000円、3歳から高校生までは月額10,000円を給付します。
さらに、多子世帯では経済的支援の必要性が高いことから、第3子以降は月額3万円を給付します。
あわせて、子育て世帯にきめ細かく児童手当を支給することができるよう、支払月を年3回から、隔月(偶数月)の年6回とします。
・児童手当の抜本的拡充
・出産等の経済的負担の軽減
・高等教育費の負担軽減
・いわゆる「年収の壁(106万円/130万円)」への対応
・住宅支援の強化

こども・子育て政策 02
全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充

全てのこども・子育て世帯について、親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に応じて、切れ目なく必要な支援が包括的に提供される、総合的な制度体系を構築します。
・伴走型相談支援と産前・産後ケアの拡充
・幼児教育・保育の質の向上
・全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充「こども誰でも通園制度」
・こどもの貧困対策・ひとり親家庭の自立促進
・児童虐待防止・社会的養護・ヤングケアラー等支援
・障害児、医療的ケア児等への支援
・こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革

こども・子育て政策 03
共働き・共育ての推進

少子化には、社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっています。個々の政策をいかすため、社会全体の構造や意識を変えることが必要です。育児休業を取りやすい職場づくり、働き方改革を進めます。
・男性育休取得率を85%へ
・育休手当の給付率を手取り10割へ
・事業主が職場の労働者のニーズを把握しつつ複数の制度を選択して措置し、その中から労働者が1つ選択できる制度の創設
・時短勤務への新たな給付創設

こども・子育て政策 04
安定財源の確保と予算倍増

次元の異なる少子化対策を実現するに当たり、今後3年間の集中取組として「加速化プラン」を実施するほか、こども政策を総合的に推進するため、「こども未来戦略」、「こども大綱」を策定し、こども家庭庁予算の倍増を目指します。不退転の決意を持って、スピード感を持って実行します。
・こども・子育て予算の財源確保
・こども・子育て予算の倍増

岸田内閣の主要政策 03/
外交・安全保障

国際秩序が重大な挑戦にさらされる歴史の転換期において、G7広島サミットの成果も踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のための外交を積極的に展開していきます。

外交・安全保障 01
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序

国際社会が歴史的転換期にある中、世界を分断や対立ではなく協調に導くべく、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化します。
・自由で開かれたインド太平洋(FOIP)
・国際社会の人権問題

外交・安全保障 02
我が国の平和と安定を守り抜く

我が国を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑になる中、我が国の領土、領海、領空、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜きます。
・国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画に基づいた防衛力の抜本的強化
・沖縄の基地負担軽減
・拉致問題
・在外邦人等の輸送
・近隣国等との外交
・経済安全保障の推進

外交・安全保障 03
地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する

G7議長国や国連安保理非常任理事国としての取り組みを通じて、核軍縮・不拡散、感染症対策、気候変動などの課題解決を着実に推進していきます。
・G7広島サミットの開催
・核兵器のない世界に向けた取組(核軍縮・不拡散の推進)
・国連安保理非常任理事国としての取組
・国連の機能強化に向けた取組
・自由で公正な経済秩序の構築
・感染症対策や将来の健康危機への備えの強化に関する国際協力
・気候変動問題に関する国際協力

岸田内閣の主要政策 04/
国民生活の安心・安全

国民の皆様の安全・安心な暮らしを守り抜くことは、政府最大の責務です。
防災・減災、国土強靱化、東日本大震災の被災地の復興を始め、
国民の皆さまが、安心して豊かな暮らしを送ることができるよう、全力を尽くしてまいります。 

国民生活の安全・安心 01
防災・減災、国土強靱化の推進

激甚化・頻発化する自然災害、インフラ老朽化等の国家の危機への対応は、先送りのできない重要な課題です。​
・防災・減災、国土強靱化
・豪雨災害への対応

国民生活の安全・安心 02
自然災害からの復旧・復興の加速

東北の復興なくして、日本の再生なし。地元の声に寄り添い、東日本大震災からの復興に、引き続き全力で取り組みます。​
・東日本大震災からの復興
東北の復興なくして、日本の再生なし。地元の声に寄り添い、東日本大震災からの復興に、引き続き全力で取り組みます。
原子力災害からの復興を目指す福島については、東京電力福島第一原発の廃炉及び環境再生を安全かつ着実に進め、ALPS処理水の海洋放出による風評を最大限抑制すべく、対策に万全を期します。
また、避難指示が続く帰還困難区域については、2022年に葛尾村、大熊町、双葉町、2023年に浪江町、富岡町飯舘村の特定復興再生拠点区域の避難指示を解除しました。
拠点区域外についても帰還意向のある住民が帰還できるよう必要な取組を進めます。
さらに、福島をはじめ東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の産業競争力を世界最高水準に引き上げ、経済成長や国民生活の向上に貢献する、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指し2023年4月に設立した福島国際研究教育機構の取組を推進します。
▼詳しくはこちら
〇復興庁HP
〇環境省HP:「東日本大震災からの環境再生ポータルサイト」
〇経済産業省HP:「廃炉・汚染水・処理水対策ポータルサイト」

国民生活の安全・安心 03
安全・安心な暮らしの確保

良好な治安を確保し、国民の皆様の安全・安心な暮らしを守り抜くことは、政府最大の責務です。また感染症対策については、万全の備えをしながら、国民の皆様が、安心して豊かな暮らしを送ることができるよう、全力で取り組んでまいります。
・「闇バイト強盗」や特殊詐欺への対策
・次の感染症危機に備えるための対応

01 新しい資本主義 
02 こども・子育て政策 
03 外交・安全保障 
04 国民生活の安心・安全

以上が、岸田内閣主要政策です。

当方の幸福方程式と照合してみます。(https://shakai.cyou/幸福方程式/)
・個人の幸福方程式= f(肉体健康度, g(自己肯定感、気持ち環境度)) –③
・全体の幸福方程式=F(S(f1,・・fn,e)—⑤

岸田内閣主要政策01~04の全てが、個人の幸福方程式における肉体健康度に含まれることばかりです。
「01 新しい資本主義」は、経済について、「02 こども・子育て政策」は、経費の補助について、「03 外交・安全保障」は、生存の保証、「04 国民生活の安心・安全」は、生存の確保。といえると思います。
そこには、気持ちの健康度に関する政策がありません。

・自己肯定感には自己実現が必要
そのために、自分の興味を見つけるのが必要
その目的に沿った教育が必要
そのために、自分の興味を見つけるための刺激を与え続ける。
例えば、様々な人間活動の分野を紹介する、
(芸術・音楽・学術・職業など)
現在の世界の問題を紹介する。
(貧困・エネルギー問題など)

・気持ち環境度には他人を思いやることが必要
その目的に沿った教育が必要
例えば、シン道徳教育が必要です。

気持ちの健康の教育に対する政策が皆無です。
国民の幸福とは何かを、人間の根本様態まで掘り下げて思索し、そこから、政策を構築していないので、中途半端な政策になってしまうと思います。
このことは、岸田内閣主要政策の大きな欠点に思えます。

必須であるべき政策が欠けているという認識を持ちながら、岸田内閣の主要政策(肉体健康度に含まれることばかりの内容)を考察していきます。

岸田内閣主要政策01~04が何故必要なのか、何故選択されたのか、理論的説明が無いです。
何となくの思い付きなのでしょうか。
幸福方程式をベースにして、政策を考え、理論的説明をすべきだと思います。

各論に入っていきます。

【各論】

01 新しい資本主義
「時代の転換点」とも言える構造的な変化と課題に直面する中、賃上げや企業の投資意欲など足下の前向きな動きを更に力強く拡大すべく、新しい資本主義の実現に向けた取組を加速し、新時代にふさわしい経済社会の創造を目指していきます。

<総括>

(良いところ)
・政府として、目指す政策を明記している

(悪いところ)
・需要側政策として、有効なものが無い
・供給側政策として、有効なものが無い

<詳細>

経済というものは、集団として個人の肉体・気持ちの健康度を保持することが目的であります。
個人の肉体・気持ちの健康度を保持するための需要があり、それを実現するための供給があります。
需要供給の関係の中で、剰余利潤が生じます。
需要エネルギー – 供給エネルギー = 余剰利潤エネルギー(所得)
構造的な変化とは、需要エネルギー (サービス需要の高まり)、供給エネルギー (生産技術の高度化)の変化であります。
その変化を捉え、その変化に対応するように、社会体制を変化させなくてはいけません。
賃上げや企業の投資意欲などはその結果としてついてくるものです。
そのような目的をもった経済システムを維持、拡大できるのであればどのような体制でも良いのであります。
現在では、資本主義、修正資本主義、社会主義、共産主義、無政府主義、自由至上主義・リバタリアニズム、その他が存在し、今後も様々な体制が考えられるでしょう。
いずれにしても、何だか主義のラベルに目を奪われるのではなく、上記の目的をもった経済システムを維持、拡大できるかどうかの本質を見極め、判断する必要があります。

首相官邸ホームページ掲載の岸田政権主要政策で「新しい資本主義」といいながら、新しい、革新的なものは見当たらない。
しかしながら、別の情報をみると、隠された本意が垣間見えます。
それは下記のサイトです。
政府広報オンライン

(政府広報オンラインからの引用)

市場に依存し過ぎたことで、

  公平な分配が行われず生じた、格差や貧困の拡大。

市場や競争の効率性を重視し過ぎたことによる、

  中長期的投資の不足、
そして持続可能性の喪失。

行き過ぎた集中によって生じた、

  都市と地方の格差。

自然に負荷をかけ過ぎたことによって

  深刻化した、気候変動問題。

分厚い中間層の衰退がもたらした、

  健全な民主主義の危機。

世界でこうした問題への危機感が高まっていることを背景に、市場に任せれば全てが上手くいくという、新自由主義的な考え方が生んだ、様々な弊害を乗り越え、持続可能な経済社会の実現に向けた、歴史的スケールでの「経済社会変革」の動きが始まっています。

成長と分配のこう循環じゅんかんによる「新しい資本主義」によって、官と民が全体像を共有し、協働することで、国民一人ひとりが豊かで、生き生きと暮らせる社会を作っていきます。

様々な弊害を是正する仕組みを、「成長戦略」と「分配戦略」の両面から、資本主義の中に埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化していきます。

つまり、新しい資本主義の目的は
「新資本主義は過ちで、その結果生じた
不公平な分配、
格差、
持続可能性の喪失、
気候変動問題、
分厚い中間層の衰退、
健全な民主主義の危機、
などを解決しよう。」
ということである。

このことは、首相官邸ホームページ掲載の岸田政権主要政策では一切触れられていない。
だから、ピント外れの政策に見えてくる。
政府広報オンラインの内容を岸田政権主要政策に明記すべきである。
それではじめて、新しい資本主義が何であるのかの輪郭が明確になる。
※利害関係があり、明記できないのか。

新しい資本主義 01
構造的賃上げの実現
分厚い中間層の形成


30年ぶりとなる高水準の賃上げを持続的・構造的なものとするため、「人への投資」を強化し、
リスキリングによる能力向上支援、
個々の企業の実態に応じた職務給の導入、
成長分野への労働移動の円滑化、
の三位一体の労働市場改革を進めます。
あわせて、
金融資産所得の拡大などにより家計所得の増大を図るとともに、
多様な働き方の推進等を通じ企業の生産性を向上させ、さらなる賃上げにつながる社会を創ります。
少子化対策・こども政策の抜本強化等に取り組むことを通じ、分厚い中間層を形成します。

・リスキリングによる能力向上支援
・個々の企業の実態に応じた職務給の導入
・成長分野への労働移動の円滑化
・家計所得の増大
・資産所得倍増プランの推進
・多様な働き方の促進

政府広報オンラインにあるような「格差の是正・分厚い中間層の形成」を本気で実現するためには、ジニ係数(格差の指標)が低い(格差が低い)スェーデンなどを見習うべきであろう。
スェーデンなどと同じく、税負担による公平な分配を行うべきであろう。
取ってつけたような対策(リスキング~多様な働き方)では効果は薄いであろう。
なぜ、そこに踏み込まないのか。
利害関係か、大きなビジョンが無いから利害関係に負けてしまうのではなかろうか。
幸福方程式を眺めて、大きなビジョンを持っていただきたい。

また、格差が問題ではないと思います。
生活に窮する人がいなくなり、全員が生活するには困ることが無い状態であればいいのです。
その際、格差が100万倍あっても、問題がありません。
100万倍の資産を有している方は、お金の収集癖のある病気を患っているとみられてしまうだけです。
全員が生活するには困ることが無い状態にどのようにするかが解決すべき問題です。
近々では、北欧諸国の社会体制を参考にすることが一つの方策だと思います。
遠い将来的には、空気が無料であるように、必要なものは無料(又は、極廉価)で手に入る社会を考えるべきです。
自然が空気をつくるように、ロボットが必要なものをつくる社会です。
いかがでしょうか。
国際比較で見た所得格差の状況

・リスキリングによる能力向上支援

現在、企業経由が中心となっている在職者への学び直しの支援について、5年以内を目途に、個人経由での直接支援を拡充します。
また、「人への投資」施策パッケージのフォローアップと施策の見直しを行うほか、雇用調整助成金について、休業よりも教育訓練による雇用調整を選択しやすくなるよう助成率などの見直しを行います。
〇厚生労働省HP:教育訓練給付制度
〇厚生労働省HP:人材開発支援助成金「人への投資促進コース」
〇厚生労働省HP:人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」
〇厚生労働省HP:雇用調整助成金
○厚生労働省HP:「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」

リスキリングは良いと思う。
しかし、これは、分厚い中間層の形成するための方策よりは、仕事の基礎体制として完備すべきシステムであろう。

リスキリングを実施するにしても、実際、プライべート時間で自学する講座受講以外で(仕事を休むなど)リスキリングの時間などがとれるのだろうか。
また、厚生労働省HPに記載している各種補助が複雑で、十分に活用されているのだろうか。
分かり易くするために、具体的な事例を併記すべきかと思います。
実際に活用した統計、その成果の統計をとり、都度、改善が必要だろう。

ただ、近々、分厚い中間層の形成するには、有効ではないだろう。
主要政策に入れるのは場違いかと思います。

・個々の企業の実態に応じた職務給の導入

職務給の日本企業の人材確保上の目的、人材の配置・育成・評価方法、リスキリングの方法、賃金制度、労働条件変更と現行法制・判例との関係などについて事例を整理し、個々の企業が制度導入の参考となるよう、2023年内に事例集を取りまとめます。
内閣官房HP:「第14回新しい資本主義実現会議 基礎資料」

内閣官房HP:「第14回新しい資本主義実現会議 基礎資料」について

・ジョブ型の仕事方式

この資料では、従来のメンバーシップ型からジョブ型人事制度への変更を勧めていましたが、発想が違っていると思いました。
目標は会社の業績が伸びることであり、そのための方策として、従業員は「メンバーシップ型+ジョブ型」であるべきと思います。
ただ、日本ではジョブ型の仕事方式が未発達なので、ここは整備していくべきでありましょう。
AT&Tの事例が紹介されていましたが、ジョブ型のためには現行の仕事を分解し、ジョブを整理し体系づける作業は大変な作業だと思います。日本の企業もそれをクリアして、ほしいものです。
但し、重要なのは、どちらかに重点を置くのではなく、両方とも求めるのが正しい方策だと思います。

・デンマークのフレキシキュリティ

デンマークのフレキシキュリティが紹介されていました。
デンマークの特徴としては
 解雇が容易 
 失業者への手厚い失業給付が整っている
 新しい仕事を選択するためのキャリアコンサルタントが整備されている
 (政府がイニシアティブをとって、企業の情報を集めてリ・スキリングの方向性をアナウンスする。)
ここで、感じるのは、非生産的な会社を辞め、生産的な将来性のある会社への移動を意図していることです。
日本とは真逆の方向です。
どちらにも、一長一短はあると思いますが、デンマーク的な政策のほうがいいと思います。
会社は、消費者が求めるものを提供する組織です。
将来性があるとは消費者が求めている分野です。その分野に移動するのは会社の本分かと思います。
しかし、現在の日本の企業体系は、企業間の流動性が低いのでそれを高めるための実行案ができないと難しいでしょう。
その困難を乗り越え、デンマークのフレキシキュリティを日本に根付かせる政策を行って、初めて、新しい資本主義と言えると思います。
資料の中に、記載して終わらせていては、ダメです。

・同一労働同一賃金

同一労働同一賃金は良いことだと思います。
その理由は、派遣労働者の賃金を上げることにある、と記載されています。
小泉政権の元での派遣労働者の拡充政策は誤りだったという事だと思います。
(ただ、経済学的にはどうなんだろう、小泉政権の元での派遣労働者の拡充政策により、消費が減ることで、経済成長の伸びが鈍化するということが証明されたのだろうか。)
ただ、同一労働同一賃金を守らなくても罰則がないことは、やる気のなさに通じる気がします。
これではいけない。
デンマークのフレキシキュリティを日本に根付かせる政策を行って、初めて、新しい資本主義と言えると思います。
同一労働同一賃金を日本に根付かせる政策を行って、初めて、新しい資本主義と言えると思います。
資料の中に、記載して終わらせていては、ダメです。

以上のことを幸福方程式を使い大局的にみると(全体の幸福方程式=F(S(f1,・・fn,e)—⑤)、
社会デザイン関数Sのうち、経済関数について議論しています。
需要量を増大させ、それを、生産性を上げながら生産する。ということになります。
(常にそれが経済活動の目的といえます)

・ジョブ型の仕事方式
・デンマークのフレキシキュリティ
・同一労働同一賃金
上記の生産における方式が、経済活動の目的を達成するのに有効である。という議論をしています。
そのような観点から考えると、有効な方式と思います。
ただ、実現するための具体策が無いように思います。いずれも、実行策に乏しいです。
それにも増して、述べられていることは、仕事の仕組みの基本であり、「構造的賃上げの実現、分厚い中間層の形成」に対しては、即効性があるものではないと思います。
ここでの議論に、掲載するのは場違いの気がします。

・成長分野への労働移動の円滑化

成長分野への労働移動を円滑化するため、
自らの選択による離職の場合でも、すみやかに失業給付を受けられるよう、要件の見直しを行います。
また、自己都合退職の場合の退職金減額といった労働慣行の見直しのため、「モデル就業規則」の改正を実施しました。
さらに退職所得課税制度の見直しを行います。
〇雇用保険基本手当
○厚生労働省HP:「モデル就業規則」
○国税庁HP:「退職金と税」

成長分野への労働移動は正しい政策案だと思います。
ただ、具体案になると、成長分野への労働移動を円滑化するための方策として記載されている内容は、意味を成していないように思います。
離職・退職・退職所得課税について述べていますが、これでどれほど、成長分野への労働移動を円滑化になるのであろうか。
掲載されている資料をみても、成長分野への労働移動を円滑化などというにはこがましい、アリバイづくり、何かやっている風の資料にしか見えない。
本気に成長分野への労働移動を円滑化しようとするなら、経済界に働きかけ、また、国民に働きかけ、今後の会社の在り方は、成長分野への労働移動を奨励する旨、アナウンスし、それにあった会社体系を作るように促すべきだと思います。
そのような根本的なことをせずに、こともあろうに、一切、やる気の感じない意味のない資料をみせても、ナンセンスであります。

・家計所得の増大

今年の賃上げ率は約30年ぶりの高水準となりました。
この流れの維持・拡大のため、
中小企業が賃上げできる環境の整備のほか、
最低賃金の引き上げ、
同一労働・同一賃金制の施行の徹底と必要な制度見直しを通じて
非正規雇用労働者の処遇改善を促し、
国全体の賃金の底上げにより家計所得の増大に取組みます。
〇厚生労働省HP:賃金引上げ特設ページ
〇厚生労働省HP:同一労働同一賃金特集ページ
○中小企業庁HP:中小企業向け賃上げ支援施策

自分が中小企業の経営者の場合、賃上げをどのように決断するだろう?
まずは、同業他社の賃金を基準にするだろう。
基準以下なら、従業員が集まらないから、基準近くに決めるだろう。
そこをスタート地点として、値上げを考えるとする。
考慮するポイントは、

近々の会社の業績
会社の永続性
他社の動向

「今年の賃上げ率は約30年ぶりの高水準」といっているが、これは円安起源の値上げが可能なので、それに伴うものと考えられるので判断は容易である。
一番判断に悩むのは、会社の永続性との兼ね合いではなかろうか。
会社の将来を予測することが一番難しいのではないだろうか。
その判断システムを国が示すことが大事ではなかろうか。

・〇「厚生労働省HP:賃金引上げ特設ページ」の事例集は良い資料だと思います。

「栄研化学株式会社」事例
同社はかねてより報酬水準の引き上げを含めた人材への投資についての検討を続けてきた。正社員の約7割が加入する労働組合執行部との対話を毎月1回行い、賃金・労働条件の改善について約2年にわたり話し合いを続けたという。2年もの時間を要したのは、制度設計の範囲が広範にわたったことと、その実現のために緻密な議論を重ねたためだ。人事部門と労働組合執行部のメンバーを中心に「キャリア・等級設計」「報酬設計」「評価設計」「人材育成」の4チームをつくり、新制度が事業戦略上の課題解決につながるか、従業員の意欲向上に寄与するか、企業風土にフィットするかなど多角的視点から議論し制度構築に至っている。その甲斐もあり、新しい人事・賃金制度は、労使で話し合った内容がしっかりと盛り込まれたものとなった。こうした同社の取り組みは、「会社の未来は従業員が創るもの。従業員の可能性を広げることが会社の可能性を広げ、成長につながり、ひいては社会貢献につながる」という考え方に基づく。

「栄研化学株式会社」のように、会社組織としてのビジョンを労使ともに明確に共有する仕組みがあり、その中で、賃上げを考えていけば、ほぼ会社の成長は間違いないのではなかろうか。
このような会社の仕組みを・意識を会社が須らく身につける指導を行う必要があるのではなかろうか。
会社全体の意思決定(賃上げ含め)のあり方を論ずることなしに「賃上げ促進税制」「業務改善助成金」などを謳っても効果は少ないと思います。

「医療法人瑞翔会 旭日クリニック」事例
賃上げを実施するにあたって原資はどこに求めたのだろうか。平川幹浩経営企画室長は「病棟であれば1日平均このくらいの患者様を受け入れてくれればいい。外来や訪問診療なら患者様を1日何人診ればこれだけの利益に繋がるといった、無理のない範囲でかつ分かりやすい目標を示した。これに職員がとても頑張って取り組んでくれた結果が原資となった」と語る。

「医療法人瑞翔会 旭日クリニック」はこのように、一番難しい会社の将来を予測するため、また、賃上げを実施するにあたって原資への考え方が明瞭である。
「栄研化学株式会社」のように大がかりではなくても、賃上げへの道筋は分かり易いと思います。

他にも注目すべき事例はあると思いますが、ただ、それをランダムに掲載するのではなく、数多ある事例をまとめ、「栄研化学株式会社」「医療法人瑞翔会 旭日クリニック」のような賃上げ判断の共通マニュアルを作成し、経営者に提供する必要があると思います。
経営者の身になって、彼らが値上げの際、陥る困難さを解決する情報提供が必要と思います。

〇厚生労働省HP:同一労働同一賃金特集ページ

非正規労働者(派遣社員)の施策は、貧富の差を広げ、出生率が減少し、人口減につながり、過ちだったことは実証済みだと思います。
同一労働同一賃金違反は罰則も決め、早急に実施すべきだと思います。

○中小企業庁HP:中小企業向け賃上げ支援施策

会社全体の意思決定(賃上げ含め)のあり方を論ずることなしに、中小企業向け賃上げ支援施策(「賃上げ促進税制」「業務改善助成金」など)を謳っても効果は少ないと思います。
中小企業庁は、会社全体を見ずに、小手先の「賃上げ促進税制」「業務改善助成金」などを推進しても後をついてくる経営者は少ないと思います。
なぜ、経営者の身になり、会社全体を見ずに、政策を提言できるのか、不思議です。

・資産所得倍増プランの推進

家計における貯蓄から投資へのシフトを促進しつつ、中間層を中心に安定的な資産形成の実現を目指します。
長期的には、資産運用収入の倍増も見据えて取組みます。
具体的には、
口座開設期間の恒久化、
非課税の年間投資枠の引き上げ(一般NISA120万・つみたてNISA40万→成長投資枠240万・つみたて投資枠120万の計360万)、
非課税保有期間の無期限化など
NISAの抜本的拡充・恒久化を行います。
○内閣官房HP:「資産所得倍増プラン」
○金融庁HP:「新しいNISA」

資産所得倍増プランのため投資を国民に促す政策は良い政策なのでしょうか。
投資にはリスクがあります。
以前の金融危機のようなこともあります。
投資とは本来、ある分野、企業が伸びることが社会のためになるので、行うことだと思います。
資産所得倍増プランのため投資は、投資の本質を逸脱して、投資をおカネが出てくる自動販売機のようなマネーゲームとみなしていることに間違いがあるのではないでしょうか。
正道は、経済活動が盛んになり、その利益分配が増えることを目指すべきだと思います。
資産所得倍増プランには、正道でそれを成し遂げる政策をかかげるべきではないでしょううか。

・多様な働き方の促進

三位一体の労働市場改革と併せて、多様な人材がその能力を最大限にいかして働くことができるよう多様な働き方を支える雇用のセーフティーネットを構築します。
具体的には、副業・兼業の促進や、選択的週休3日制度の普及等に取組みます。
○厚生労働省HP:「多様な働き方の実現応援サイト」

「多様な働き方の促進」で何を主張したいのか、それが「新資本主義」につながるのかがわからない。
副業・兼業の促進や、選択的週休3日制度が、妥当な政策なんだろうか。
本筋は、
「自分の好きな分野を見つけ、それに邁進できる環境をつくり、失業したら、再度教育を受け、次の働き先を見つけれるようにする。」
しかないと思う。
この本筋を踏まないで、副業・兼業の促進や、選択的週休3日制度、を謳っても効果は無いと思う。

○厚生労働省HP:「多様な働き方の実現応援サイト」
 多様な正社員制度の導入事例、などがあるが意味のあることは掲載されていないことを見るにつけ、本気さが欠けている気がします。

新しい資本主義 02
国内投資の活性化

バブル期以降高水準となる100兆円を超える国内投資など企業の高い投資意欲が醸成されてきています。
市場に任せるだけでは過少投資となりやすい分野について、官民連携を進め、的を絞った公的支出を行い、これを呼び水として民間投資を拡大させます。
そして、30年間続いてきたデフレ経済、コストカット経済から脱却し、未来への投資によって成長する経済をつくり上げます。
そのため、特に、半導体・蓄電池・データセンター・バイオといった戦略分野を中心に、国内外の企業に中長期的な予見可能性を示すことのできる規模・期間での包括的な支援を行い、大規模な立地・投資を計画できるよう、世界に遜色ない水準で、税制・予算面での支援を検討します。
そのうえで、年末に向けて、世界に伍して競争できる投資支援パッケージを作っていきます。
・GX(グリーン・トランスフォーメーション)の投資拡大
・スタートアップの育成及び公益活動の推進
・科学技術・イノベーションの推進
・インバウンドの拡大

供給側としての国内投資は、需要に基づいて行われるものです。
当方の幸福方程式を用いて、国内投資の位置づけをしてみます。

(https://shakai.cyou/幸福方程式/)
・個人の幸福方程式= f(肉体健康度, g(気持ち健康度:(自己肯定感、気持ち環境度)) –③
・全体の幸福方程式=F(S(f1,・・fn,e)—⑤

需要は個人の幸福方程式の度数を増進させる方向のものになり、それが供給へと転化します。

・主に肉体健康度

   需要:肉体の健康
   供給:GX(グリーン・トランスフォーメーション)の投資拡大
  
・主に気持ち健康度
・両方に関するもの

   需要:肉体の健康・気持ちの健康
   供給:スタートアップの育成及び公益活動の推進

   需要:肉体の健康・気持ちの健康
   供給:科学技術・イノベーションの推進
    (半導体・蓄電池・データセンター・バイオといった戦略分野)

   需要:肉体の健康・気持ちの健康を求める海外からのインバウンド
   供給:滞在に必要なすべて(宿、移動機関、食など)

当方の幸福方程式を用いて、国内投資の位置づけをしない限り、投資の全体像が見えてきません。
全体像が見えないので、選択した国内投資が有効なのか、他により有効な投資が無いのかの判断がつきません。

上記の分析で、気が付くのは、気持ち健康度オリエンテッドの需要・供給が皆無だという事であります。
例えば、考えられる供給事業として、孤独感解消、ひきこもり解消、宗教の教えの提供サロン、こころがやすらぐ、まわりとの軋轢が生じた場合のコンサルティング、などを供給する事業が考えられるのではないでしょうか。

幸福方程式を用いて、国内投資の位置づけをし、政策で掲げられている項目で、それ以上に優先すべきことが無いかを再考する価値があると思います。

なぜ、各政策が掲げられたのかの理論的説明がないように思います。
理論的説明がないため、思い付きの政策といわれてもしかたがない様な気がします。
いかがでしょうか。

・GX(グリーン・トランスフォーメーション)の投資拡大

・GXは、クリーンエネルギーとしての新規需要である。
ただ、現行エネルギー需要量と置き換わるだけで、エネルギー需要量が増えるわけではない。
供給側で供給方法が変わるだけである。
そのことにより、GDPが増加するのであろうか。
当初、新規設備投資でGDPが増加するであろう。
しかるのちに、維持投資だけになるだろう。
故に、これにより景気が大きく良くなることは期待できないのではなかろうか。
これを踏まえた、GDP増加予測を計算すべきではなかろうか。

・説明資料として、下記が挙げられている。


これだけの内容を誰が、全て把握し、実現へ向け管理しているのか。
また、これによりGDPがどの程度増加するのか、の全体像を描いている責任組織があるのだろうか。
「GX実行会議」だろうか、しかし、議事録をみるとそのようなことは議論されていない。
大丈夫なのか。

—以降、一旦ここで、考察を小休止します。
 読んでいても、当たり前のことを述べれられて、当たり前のように実現できていないことばかりのような気がします。
いましばらく、他の方々の考えに触れてきます。—-


03 デジタル社会への移行
デジタルの活用により、一人一人のニーズにあったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指します。
また、「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を進めます。


岸田内閣の主要政策 02/
02 こども・子育て政策
少子化は我が国の社会経済全体に関わる先送りのできない「待ったなしの課題」です。
若い世代の誰もが結婚や、子供を産み育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望を持てる社会を目指し、不退転の決意で取り組みます。

こども・子育て政策について

目先の人口減少を心配する前に、適正な人口の基準を設定しなくては、減少が良いのか悪いのか判断できないと思います。
現状はまるで、今の人口が正しく、それから減少するのが悪いかのような判断をしている。
下記の様な意見もある。
「現在の日本の人口はヨーロッパ主要国並みの6000万人~8000万人だったはずである。それが自然な流れだ。私自身はこれくらいの人口が日本に適正だと考えている。」
https://diamond.jp/zai/articles/-/1002489

非正社員の増加が、結婚減少に影響していると思います。経済的不安要因が結婚減少につながることは、阻止しなくてはいけません。
これも経済全体の中で方策を考えていかねばなりません。
需要エネルギー – 供給エネルギー = 余剰利潤エネルギー(所得)

次の詳細では何がいわれているのか、興味満載です。

岸田内閣の主要政策 03/
外交・安全保障
国際秩序が重大な挑戦にさらされる歴史の転換期において、G7広島サミットの成果も踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のための外交を積極的に展開していきます。

外交・安全保障について

岸田内閣の主要政策 04/
国民生活の安心・安全
国民の皆様の安全・安心な暮らしを守り抜くことは、政府最大の責務です。防災・減災、国土強靱化、東日本大震災の被災地の復興を始め、国民の皆さまが、安心して豊かな暮らしを送ることができるよう、全力を尽くしてまいります。

国民生活の安全・安心

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